野洲市小字地図を公開しました
野洲市小字地図とは
地図の閲覧は こちら からどうぞ!

野洲市小字地図は、滋賀県野洲市の小字(こあざ)をシームレスに閲覧できるWeb地図です。普通の地図には載っていない小字をいつでも誰でも気軽に見られるようにしたいという思いのもと個人製作しました。
「そもそも "小字" って何?」という方は、まず以下の記事をお読みください。 fffw2.hateblo.jp
基礎資料は野洲町史編さん室『明治の村絵図』(1986) [1] に掲載されている小字比定図および地籍図 (e.g. 地券取調総絵図) です。 山間部の小字は地籍図の精度が著しく低いため『明治の村絵図』では割愛されていますが、本小字地図では野洲市が公開している地番参考図 [2] の地番界をもとに可能な限り小字界を復原しました。
注意事項
- 初回公開時点では野洲市のうち旧野洲町域の小字のみを掲載しています。今後、旧中主町域も含めていく予定です。
- 小字界の同定や小字名の表記には細心の注意をはらいましたが、決して完全なものではありません。あらかじめご了承ください。
- 小字名は資料によって表記が異なる場合があります。将来的には字取調書 [3] や登記情報 [4] などの表記も確認する予定ですが、現時点では原則『明治の村絵図』 [1] の表記をそのまま採用しています。
- 本小字地図は土地の権利関係には使用できません。
- 転載する場合は出典を必ず明記ください。作者は風霊守(@fffw2)です。
操作方法
- パソコンでもスマホでも閲覧できます。
- ズーム、背景地図切り替え、詳細ポップアップ表示については、触ればわかると思うので、具体的な操作方法は割愛します。
- パソコンでは Shift + Alt を押しながらドラッグで地図を回転できます。スマホでは2本指でタッチしてひねると回転できます。右上に表示される矢印アイコンを押すと、元の向きに戻ります。
凡例
詳細ポップアップの各項目について説明します。
小字
小字の名称です。原則『明治の村絵図』 [1] の表記をそのまま採用しています。大字
小字が属する大字の名称です。掲載しているのは『明治の村絵図』が出版された1986年時点の大字であり、おおむね江戸時代の藩政村に一致します。旧村
明治時代の行政村(1889年の町村制施行時の旧村)の名称です。備考
小字名の表記揺れなど、補足情報を載せています。
参考資料
[1] 野洲町史編さん室『明治の村絵図』(1986)
[2] 野洲市「野洲市マップ」のうち「農振農用地マップ(参考地番あり)」
[3] 滋賀県立公文書館蔵『近江国栗太郡111ケ村字取調書』(1881)
[4] 法務省, 不動産登記情報 (「登記・供託オンライン申請システム」より照会)
[5] 角川日本地名大辞典編纂委員会『角川日本地名大辞典 (25) 滋賀県』(1979) (小字一覧)
[6] 大津地方法務局蔵 旧土地台帳
[7] 谷謙二「今昔マップ on the web」(旧版地形図・航空写真など)
[8] 国土地理院「地図・空中写真閲覧サービス」(国土基本図・米軍航空写真など)
[9] 滋賀県立公文書館蔵『【明-ち-29-2】野洲郡保安林台帳』(1898) (目録件名のみを地番範囲特定のために使用)
[10] 人文学オープンデータ共同利用センター「国勢調査町丁・字等境界データ」
[11] 滋賀県立公文書館デジタルアーカイブ「川通堤防用悪水路杁樋溜池道路橋梁之絵図」
謝辞
調査にご協力いただいた、野洲市立図書館、滋賀県立公文書館、大津地方法務局の担当者の方々、そして地図作成のアドバイスや励ましのいいねをくださった X (Twitter) のフォロワーの皆様に深く感謝いたします。
TODO
- 旧中主町域の小字を追加する
- 字取調書や登記情報などの小字名の表記を確認する
Xのリスト消化が捗る自作iOSショートカット集(広告なし・前回の続きから読める)
X(Twitter)のフォロワーが多くて現実的に全投稿を読むことはできないので、気になるフォロワーを厳選してリストに入れ、そのリストだけは15年間毎日欠かさずに細大漏らさず投稿を読むようにしています。
本記事では特定のリストのタイムラインを遡って全部読むときに使っている自作のiOSショートカットを紹介します。ホーム画面に追加しておくと日々のX巡回が捗りますよ。
【基本編】リストの投稿を取得する(広告なし)
ショートカットの入手
こちら でショートカットを共有してます。ご自由にお使いください。
ショートカットの設定内容
────
- テキスト
https://x.com/search?q=list:XXXXXXXX%20include:nativeretweets - テキスト を開く
────
- この方法で投稿を取得すると邪魔な広告が入りません
XXXXXXXXには数字8桁のリストIDを設定してください。PC版XでリストのページのURLから取得できます。- フォロワーがリポストした内容に言及しがちなので、文脈を正しく把握できるように
include:nativeretweetsでリポストも含めて取得してます。 list:XXXXXXXXをfrom:XXXXXにすると特定のフォロワーの最新の投稿を取得できます
【応用編】リストの投稿を前回の続きから読む
ショートカットの入手
こちら でショートカットを共有してます。ご自由にお使いください。
ショートカットの設定内容
────
- 写真を選択
- 写真からテキストを抽出
- 画像からテキスト で
(\d{1,2}):(\d{2}).*(\d{4})/(\d{2})/(\d{2})に一致 - 一致 を match に追加
- match で グループのインデックス 1 を取得
- テキスト を hh に追加
- match で グループのインデックス 2 を取得
- テキスト を mm に追加
- match で グループのインデックス 3 を取得
- テキスト を yyyy に追加
- match で グループのインデックス 4 を取得
- テキスト を MM に追加
- match で グループのインデックス 5 を取得
- テキスト を dd に追加
- テキスト
https://x.com/search?q=list:XXXXXXXX%20until:yyyy-MM-dd_hh:mm:00_JST%20include:nativeretweets - テキストを開く
────
- 昔はアプリを切り替えて放置していても前回の続きから読めたのですが、いつからか仕様変更で最新の投稿に戻されてしまうことが多くなったので、このショートカットを作りました。
- どこまで読んだか記録しておくためにツイート画面のスクショを撮っておく必要があります。タイムラインから誰かの個別のツイートを1つ開いて投稿日時が入るようにスクショを撮っておいてください。ゲームの途中でセーブをするような感覚です。すぐに慣れます。
- スクショ内の投稿日時テキストを自動認識して、検索クエリに追加しています。
滋賀県が好きすぎて『翔んで埼玉 〜琵琶湖より愛をこめて〜』特別試写会に行ってきました
2023年11月16日、『翔んで埼玉 〜琵琶湖より愛をこめて〜』特別試写会に行ってきました。滋賀県を舞台にした稀代の傑作です。
『翔んで埼玉 〜琵琶湖より愛をこめて〜』の試写会に行ってきました!誇り高き滋賀県民である僕も大満足の超大作。関東民が理解できるのか心配になるぐらいにがっつりと滋賀ネタが盛り込まれていて、めちゃくちゃ笑いました。招待してくださった滋賀県さんありがとうございます。 #翔んで埼玉 pic.twitter.com/dHRBhz20ru
— 風霊守 (@fffw2) November 16, 2023
滋賀県から招待されたと書いたので、2016年にバズった「琵琶湖の水止めたろか!」シミュレーションの影響かと思ったフォロワーさんもいたようですが、全くそんなことはなく普通に関西テレビの応募フォームから申し込みました。倍率がどれほどだったか知りませんが、運良く当選して嬉しい限りです。
締め切りギリギリに応募して、1週間ぐらいで自宅に招待状が届きました。額縁風のデザインをよく見ると滋賀県名物・飛び出し坊やが隠れているなど、小ネタが仕込まれているのも嬉しいですね。

試写会の場所はユナイテッド・シネマ大津。中高時代にイオンシネマ草津ができる前までここによく映画を見に行ってたので懐かしいです。昔は大津パルコにありましたが、現在の店名は Oh!Me 大津テラスです。近江だけに。

店内には至る所に出演者たちの濃い顔のポスターが貼ってありました。
Oh!Me 1階

Oh!Me 6階

Oh!Me 7階


「琵琶湖」と書かれたこの古絵図は何でしょうね。映画用の小道具?湖や山のデフォルメの仕方が本格的で、古絵図の特徴をよく押さえていると思います。

ちなみに18時半開演だというのに写真が明るいのは、はやる気持ちを抑えられず16時に着いたからです。正直時間を持て余しました。
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18時半。いよいよ開演。
聞き馴染みのある軽妙なギターの音と共に、くるくる回りながら赤と青のジャージのおじさん2人が入ってきました。特別ゲストの……

テツandトモさん です!!(with 江島滋賀県副知事and佐藤大津市長)
小学生の頃に一世を風靡した伝説の芸人さんと会えて感慨無量です。生なんでだろうに痺れました。実は赤色のテツさんのほうが大津市出身なんですよね。「映画に出演してないのにゲストに呼ばれてるのなんでだろう〜」と自虐してましたw
昔に比べて若干動きは年相応に鈍くなったように感じましたが、ネタのキレは全く色褪せてませんでした。むしろ地方営業を重ねてさらに面白くなっています。お客さんのいじり方も秀逸で、会場をどっと沸かせていました。流石です。
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テツandトモさんのネタが終わったあとは会場全員で『琵琶湖周航の歌』斉唱です。オペラ歌手の迎肇聡さんもこのために来てくださいました。

スクリーンに映し出された四季折々の滋賀の美しい風景を眺めながら、映画館で『琵琶湖周航の歌』を歌うという心洗われる体験はおそらく僕の人生に一度しかないでしょうね。
このときの写真はテツさんの公式ブログに載っているので是非ご覧ください。 ameblo.jp
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肝心の映画の感想はネタバレ禁止のため詳しくは書けませんが、"誇り高き滋賀県民" である僕も大満足の作品でした。関東民が理解できるのか心配になるぐらいにがっつりとマニアックな滋賀ネタが盛り込まれていて、めちゃくちゃ笑いました。
みなさんも是非ご覧ください!そして滋賀県に遊びに来てください!
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追記:2025年2月8日にフジテレビ「土曜プレミアム」で地上波初放送が予定されています
本日発売『地理交流広場号外 小字特集号』最速レビュー
待望の小字特集号
ついに出ましたね、『地理交流広場』の小字特集号!

小字の基本からデジタル小字地図の作り方まで幅広く載っていて、小字マニア垂涎の神特集です。もしも小字研究の大家・柳田國男先生が生きていたら呵々と笑って喜んでくださったことでしょう。
早速僕も手に入れましたので、最速でレビューしていきます!
小字のキホン
小字についていろいろ書くよ ─押さえておきたい小字のキホン─
ひめさん(@sarasvati65)の寄稿記事です。小字に関する基本知識が網羅的に整理されていて非常に勉強になります。出典や具体例も豊富。まさにこの本の巻頭を飾るにふさわしい記事だと感じました。
千葉県旭市萬歳には「字A嘉右衛門地」「字B嘉右衛門地」という小字があります。小字名でアルファベットを含む唯一の例です。
アルファベット小字、初めて知りました。漢字の中に唐突にアルファベットが交じっていて、中国語の「哆啦A梦」(ドラえもん)を彷彿させる不思議な感じがたまりませんね。
大阪市中央区上町Aのように街区符号がアルファベットになっている例は有名ですが、まさか小字にもアルファベットがあったとは。普通だと「上嘉右衛門地」「下嘉右衛門地」とかになりそうなものなのに、一体どうしてここだけアルファベットになったのだろう。
小字ができるまで ─条里プランとの関係を中心に─
永太郎さん(@Naga_Kyoto)の寄稿記事です。金田正裕先生の条里小字に関する論考が元ネタになっているとのこと。僕が主に研究対象としている滋賀県には条里小字が色濃く残っているので、非常に関心のあるテーマです。

条里小字の例(拙作『草津市小字地図』より)
条里プランは班田に基づく①律令の条里プランだけでなく、国司の業務における②国図の条里プランや、その後の③荘園の条里プランといったように、時代が下っても使われ続けました。それは、グリッドという土地プランが、古代律令制という歴史的文脈を越えた普遍的合理性を有していたからでしょう。
合理性のあるプランは悠久の時を越えて生き続けるんですね。そういえば僕の暮らす滋賀県でも、古代の条里界がそのまま市道となり、分譲住宅地の街区が歴史的な一町(約109m)四方になっている場所が結構あります。
小字事例研究
飛地組替について
srdさん(@chimei_saitama)の寄稿記事。編入による飛地小字の解消は全国であたりまえに行われてきましたが、埼玉県では「大字今福字武蔵野元松郷分」のように「元○○分」という形で編入前の履歴情報が保持されているそうです。こういうローカル小字ネタを知れるのも、全国各地の愛好家が寄稿する同人誌の醍醐味ですね。
「過去の履歴を消したらあとで困るかも…」と明治時代の慎重な担当者が補足程度に台帳に書き留めていたのが始まりですかね。バージョン管理システムのない時代にソースコードの変更履歴をコメントアウトで残していた昔のプログラマーみたいだなとしみじみ感じました。
小字の表記はどうゆれるか ─愛知県知多郡のハザマ地名を例に─
西嶋佑太郎さん(@keilfoermig)の寄稿記事。小字を語る上で欠かせない表記揺れ問題に正面から挑んでいる記事です。僕は「結構揺れてるな〜」とスルーしがちなのですが、西嶋さんは資料や地域による揺れの傾向を徹底分析なさってます。感服。
最近、イリ地名の分布に関する研究で尾張に「杁」が多く三河に「圦」が多いという記事(愛知だけの文字?地名に残る“杁”の謎 - NHK名古屋)を読んで、表記揺れの地域性に関心を持ったばかりでしたが、そういやこの記事にも西嶋さんが出てきてましたね。
常滑市の小字「たんぼ」の漢字字体の軌跡
同じく西嶋さんの寄稿記事です。「たんぼ」という小字に奇を衒って珍しい漢字をつけたことによって、みるみるうちに字体が変化していき、行政資料の漢字と現地住民が使う漢字が乖離してしまったり、誤った字体で Unicode に登録されてしまったりする数奇なストーリー。こういうの大好きです。
旧Twitterの地名界隈でも10年ぐらい前に話題になり「ちょっとたんぼの様子を見てくる」と言って街区表示板の写真を撮りに行く人がちらほらいましたね。懐かしい。
記事中で筆者が地籍図や旧土地台帳を
地名漢字が変化する培養装置
と表現していて、言い得て妙だなと感じました。
ちなみに僕も以前、滋賀県栗東市坊袋字切挊の旧土地台帳を紐解いたことがあり、漢字変化の "培養" 過程を目の当たりにしたことがあります。
栗東市坊袋字切挊の現地調査で何の成果も得られなかったので、代わりに旧土地台帳の異体字シリーズを載せておこう。旧土地台帳では「㓛挊」(工+刀)という表記が最も多かったが、昭和30年代に書かれた分筆登記を中心にかなりの異体字が確認された。 pic.twitter.com/GWHBDMcl3g
— 風霊守 (@fffw2) 2015年8月22日
地名漢字の変化は興味深いですが、同時に本来の命名意図が失われゆく底知れぬ恐ろしさがありますね……
大規模公共事業に沈んだ地名 ─東京府南葛飾郡における荒川放水路を例に─
関東小字地図管理人のおさるさん(@osaru_san1, 現 @koaza_net)の寄稿記事。荒川放水路の開削によって川底に沈んだ小字地名が紹介されています。字大町、字蹴上、字谷部沼、字鎌田、字三反田、字経塚、等々、河川の中にたくさんの小字名が存在するのを見ると「ここにも昔は人々の営みがあったのだな…」と郷愁的な感情になります。
別の場所ですが以前ダム湖に沈んだ小字も紹介されていました。
貯水池に沈んだ小字エモい pic.twitter.com/o5gRyRS3VE
— 関東小字地図 (@koaza_net) 2023年11月30日
この手の失われた小字はやはり単なる小字一覧ではなく地図上にプロットされることでぐっと胸に迫ってきますね。
小字一覧
『角川日本地名大辞典 滋賀県』付録「小字一覧」の補完 ─『土地字取調書』をもとに─
アツジンさん(@atsatsatsa)の寄稿記事。角川の小字一覧で欠落している滋賀郡(現在の大津市の一部)を補完してくれたのだろうな、ありがたやありがたや〜と思って読んでみたら、滋賀県全域の不足小字を補完していて目ん玉飛び出ました。マジか。
角川の小字一覧のフォーマットを完全再現している点も芸が細かくて最高です。

『角川日本地名大辞典 滋賀県』小字一覧のオマージュ。かなり再現度が高い。
本稿で用いた資料『土地字取調書』の撮影は風霊守氏(@fffw2)と分担して実施した.ここに同氏に対して深謝の意を表する.
どういたしまして。同郷の小字研究家(実は中学・高校・大学が同じ)として微力ながら協力させていただきました。土地字取調書全頁を角川小字一覧と比較して欠落分数万文字を全部打ち込んだアツジン氏の並々ならぬ努力とは比になりませんが。
滋賀県のすべての小字がここにある! pic.twitter.com/TIlDZ6dyj2
— 風霊守 (@fffw2) 2023年5月17日
平日休なので滋賀県立公文書館に籠ってひたすら小字地名の資料を撮影してた。歴史を直に感じられる有意義な時間だったけど、5時間立ちっぱなしで流石にだいぶ疲れたな。 pic.twitter.com/FNxccdcxYm
— 風霊守 (@fffw2) 2023年10月12日
『官報検索!』を利用した官報告示からの小字名集作成の試み ─島根県の失われた小字を求めて─
ひめさんの寄稿記事2本目。小字一覧が乏しい島根県の小字を官報全文検索から抽出する画期的なチャレンジ。島根県は約8割が森林であり、保安林関係の告示に小字が現れやすいという特徴があるようです。
最終的に島根県の小字約16000件を抽出できたようで、十分な成果だと言えます。紙面の都合上、本誌には研究成果の一部である鹿足郡(かのあしぐん)の小字が列挙されていました。それでも25頁に及ぶ圧倒的なボリューム…!
人力では到底無理な作業量なので、やはり技術力はこれからの小字研究には不可欠ですね。
小字地図
デジタル小字地図の作り方
本誌の主宰である小林護さん(@oigawa2)の寄稿記事。紙媒体の小字地図からデジタル小字地図を作る方法について簡単に紹介しています。
Google マイマップでも簡易なデジタル小字地図は作れますが、やはり紙資料のスキャンデータをジオリファレンスして地図に重ね合わせたり、昔の航空写真と比較して精度を高めたりするためには GIS ソフトウェアの利用が欠かせません。
- 紙資料のスキャンデータをジオリファレンス
- 小字界をなぞってポリゴン化
- 航空写真と重ねてポリゴンを補正
というのが基本手順であるとのこと。僕も小字地図を作るときは基本的にこの手順を踏んでいます。
記事を読む限り、どうやら小林さんは全域の小字界をなぞりきったあとで航空写真を用いた補正過程に入るタイプのようですね。僕は小字ひとつずつに対して 2.ポリゴン化 → 3.補正 のループを回す手順でやっていて、何度もレイヤー切り替えが発生していて手間でしたので、次回の小字地図作成のときには小林さんの手順を実践してみます。
草津市小字地図ができるまで
風霊守(@fffw2)の寄稿記事。僕です。人生初の寄稿記事でして「これが出版されて、国立国会図書館にも納本され、自分の死後も未来永劫生き続けるのだな」などと大仰に考えてしまい、必要以上に緊張しました(考えすぎ)
題材は拙作『草津市小字地図』の十余年にわたるメイキングストーリーです。
物語の序盤では、僕が小字と出会った少年期のエピソードから始まり、小字のどこに魅了されたのか、なぜ小字地図を作ろうと思ったのか、という冗長な自分語りが展開されています。どうか寛大な心でご笑覧ください。
メインパートでは、どのように基礎資料を入手したのか、小字地図を作る上での数多の困難をどのように攻略していったのかといった具体的なエピソードを豊富に紹介しています。特に小字地図に興味があるけど作り方がわからないという人や、小字地図を作っているけど基礎資料の精度が低くて難儀しているという人に本記事が届き、小字地図作成の一助となれば幸甚です。
まとめ(宣伝)
小字特集号、永久保存版です!
BOOTHで販売されているので興味のある方はぜひお読みください。
藁にもすがる思いで『エンジニアのための時間管理術』を読んだ
最近仕事もプライベートもやりたいことが多くてタスクがあふれかえっているので、藁にもすがる思いで O'Reilly から出版されている『エンジニアのための時間管理術』を読んでみました。読書メモと自分の感想を記録しておきます。

はじめに
著者は Thomas A. Limoncelli 氏。タイムマネジメントが得意なシスアドおじさん。Limoncelli というラストネームが珍しい気がしたので調べてみたところイタリアのレモン・リキュール Limoncello(リモンチェッロ)の複数形でした。仲間にジンとかウォッカとかいそう。
それでは、深く腰掛けて、手を外に出さないで、安全バーをおろして楽しんでください。Tom がタイムマネジメントと健全なる世界へあなたをご案内します。
第1章:タイムマネジメントの原則
この本全体の軸となる6つの原則です。
- タイムマネジメント情報を1箇所にまとめる
- 頭の片隅に置いておかず外部ストレージ(=メモ)に追い出す
- 日課(ルーチン)を定める
- 無駄な意思決定プロセスを挟む時間が惜しいので
- 過去の経験則に裏付けられた自分の行動指針を持つ
- 「早いに越したことはない」とか
- 割り込みは集中力の天敵なので最小限に抑える
- プライベートにも仕事と同じツールを使う
大体普段から心がけている内容です。特に 2. は効果的。頭の片隅にずっと置いておくと結局集中力の妨げになるので。最後の 6. は機密保持の観点でやめておいたほうがよいと思います。個人的に気になるのは 5. の割り込み対策。このあとの章で対処法が詳しく説明されるようなので期待。
第2章:集中と割り込み
割り込みタスクが入ると、そのあと元のタスクに戻るときに「思い出す時間」が余計にかかるので、タイムマネジメントにとって害悪でしかありません。顧客からの要求が割り込んできたときの対処法は
「委任」「記録」「実行」
の3つ。他に対処できる人がいれば「委任」し、緊急でなければ要求を「記録」し(頭で記憶はNG)、本当に緊急であれば即「実行」する、という三択です。どの選択肢を取るか冷静に判断することが大事。割と当たり前のことを言ってる気もしますが、自分の場合、緊急性を十分に考えず「ほぅ、確かにそれも気になる…」とつい割り込みタスクに気移りして「実行」しがちなので、肝に銘じておきたいです。
また、章末のコラム『とにかく着手する』では、じっくり集中してコメントを考える時間が取れるまで返信を後回しにしちゃう筆者友人の話が出てきて、まさに自分と重なるものがあったので、ドキッとしました。この手のタスクはつべこべ言わずにすぐ着手するに限るんですよね。巧遅は拙速にしかず。
余談ですが、ブログ記事の執筆もいつもなら自分に甘く「あとでじっくり余裕があるときに…」としがちなのですが、本書のコラムに刺激されて鉄は熱いうちに打たねばと思い、今回は読書後すぐに感想を書いています。
第3章:ルーチン
筆者こだわりのルーチンが14ページにわたってぎっしり紹介されていて、ちょっと多い(笑) 「毎週日曜日に給油する」は頻度高くないか?と感じたけど、車通勤だとそんなものなのだろうか。
良いルーチンを一度作っておくと、毎回の決定コストを省くことができ、創造的な活動に専念しやすくなるとのこと。僕の場合は重要度の高い定期タスクについては、忘れないようにスケジューラーやリマインダーで管理しているのですが、本書では重要度の低いタスクも(あんまりサボるとあとでツケが回ってくるので)ルーチン化すべきだと書いてありました。確かにその通りで、はっと気づいたら塵が積もって山になっていて苦しむことがしばしばあるので、もう少し瑣末なルーチンも積極的に増やしていきたいです。
第4章:サイクルシステム
筆者の考えた最強の時間管理術「サイクルシステム」の話です。
- 今日の会議・約束を除いた作業可能時間を計算する
- 今日やることの所要時間を見積もり、作業リストを作る
- 予定に取り組む
- 未完了タスクを翌日のリストに回す
- このサイクルを毎日繰り返す
画期的で目新しいアイデアを期待していましたが、意外と普通ですよね。TODO アプリで標準機能として実装されているレベル。まあ僕の場合、TODO アプリを起動すると毎日繰越タスクが 100 件ぐらい初期表示されているので、筆者の唱えるサイクルシステムを全然正しく実践できてないのは明らかなのですが。
第5章:作業リストとスケジュール
サイクルシステムの具体的な手法の話。2006年に出版された本なので紙の手帳や PDA(いにしえの情報端末)を使った実践方法が書かれていて隔世の感がありますね。PDA をスマホに読み替えると現代人も理解しやすいです。
特に「処理しきれない作業」の攻略法は食い入るように読みました。
- 優先順位の低い仕事を翌日に回す
- 作業を小分けにする
- 作業の範囲を狭める
- 所要時間を多めに見積もる
- 委任する
- 優先順位を上司に確認する
- 会議を欠席する
- 残業する(最悪の選択肢)
何よりなんとなくで今日の作業を進めていくのではなく、1日の最初に10分程度の時間を確保して作業リストを作る ことがサイクルシステムの円滑な進行には欠かせません。つい PC を開くとすぐにメールチェックを始めてしまいますが、ぐっと堪えて、作業リストを作るまで他の作業を始めないように心がけなくてはいけませんね。
第6章:カレンダーの管理
カレンダーに予定を書き込んでおくと役立つ。あたりまえ体操。
第7章:人生の目標
目標を明確にしておかないと、どこを目指して努力すればよいのかわかりません。仕事とプライベートのそれぞれで、ひと月、1年後、5年後の目標をリストアップし、優先順位をつけて、達成に必要な手順を書き出しておき、「次の手順」を作業リストに追加することを筆者は推奨しています。(そして、月に一度、目標と手順を見直します)
とにかくそれらをリストアップしてください。終わるまで待っていますから。本当です。待っています。表が完成するまで、次の段落には進んではなりません。あなたの頭の中ではなく、実際の紙にリストアップしてください。
それらをリストアップしませんでしたね。いつかこの章をもう一度読んだときに表を埋めればいいと考えましたね。本書のすべての演習には、共通点が1つあります。それは、実際にやってみなければ、うまくいかないことです。ですから、今すぐ紙を取り出して、書き始めてください。
と、ここまでしつこく念押しされました。まあ、まだ書いてないんですが。
第8章:優先順位
優先順位に関するノウハウが詰まっている章。めちゃ有益。
- 簡単・効果大 > 難・効果大 > 簡単・効果小 > 難・効果小 の順で優先
- 難・効果大 より 簡単・効果小 を進めたくなるが、難・効果大 に挑戦する社員のほうが優遇されがち
- 顧客の要求を優先したほうが、顧客満足度が高まって得。
- 上司の要求は特別に優遇して最優先で対応。要求の裏には自分が知らない大きなプロジェクトとの依存関係があることが多いため(+上司評価が上がって給与増額にもつながる)
第9章:ストレスの管理
休憩しよう。深呼吸しよう。いまわの際の言葉が「もっと仕事の時間を増やせばよかった」という人はいない。
- 本当に負担が重くて立ち行かなくなったら上司に相談
- 休暇を取ってリラックス(旅先にノートPCを持って行くな)
ストレスを抱えていると仕事の効率が落ちるので、時間管理術の観点でも休暇は大事。「休暇を満喫するには、12〜14日は必要です」と書いてあって、アメリカとの文化の差を感じました。丸2週間休んでみたいものです。
第10章:電子メールの管理
メールに忙殺されないよう適切なフィルタ設定が大事。古いメールに価値はないので、どんどん削除しよう!という話には全く共感できず(2006年当時はストレージが貧弱だったのかな)
第11章:時間の浪費
しょーもない作業、不要なメーリス、どうでもよい雑談、迷惑なセールス、無駄な会議、等々、時間の浪費はどんどん排除していこうという話。僕も最近は任意参加の会議には(同調圧力に屈さず)極力参加しないようにしてます。
本筋とは関係ないですが、時間の浪費の話の中で、SNS ではなく「掲示板やUsenet」が出てきたり、「DVD を郵送でレンタルできる Netflix」が出てきたりして、インターネット考古学的な観点でも興味深かったです。
第12章:文書化
最近は Wiki という便利なテクノロジーがあって… と前時代的な話が淡々と進むので、現代人は読み飛ばしても良い章だと思います。ちなみに筆者は「Wiki」という名前が気に食わず「たとえ鉛を金に変えようとも、あのふざけた名前のシステムは絶対に使用しない」と3年間 Wiki を無視していたそうです。
第13章:自動化
正直、竜頭蛇尾な感じで、第10章以降は流し読みでもよいと思います。本章では自動化が便利だというエンジニアにとっては当たり前の話が書かれています。Makefile や tcpdump の例はシスアド色強め。現代だと Python による自動化なんかを別の本で勉強したほうがよいです。
おわりに
最後に、本書のテクニックを実践して手に入れた自由時間は、仕事ではなく愛する家族のために使うべきだと締められていました。良い話。
行宗春意さん、お忘れ物が届いてますよ。

江戸時代の忘れ物
草津宿本陣(滋賀県草津市)で2019年に江戸時代の忘れ物(失念物)が発見されたニュースがありました。土蔵内の箪笥の引き出しに全18点の忘れ物が保管されており*1、その中でも特に新選組の忘れ物である煙管(キセル)入れは注目を浴びました。
今回、『広報くさつ』2024年6月号の歴史コラムを読んでいて、新選組の陰に隠れたその他の忘れ物の1つに興味を惹かれました。
田中七左衛門本陣に残された膨大な歴史資料の中でも特にユニークなのが、全18点の「忘れ物」です。(略)例えば2点が残る「鍵」(略)紙札によると「土州藩(土佐藩)」の行宗春意(ゆきむねはるおき ※ふりがなは推測)という人物が草津宿内の合羽屋という旅籠に忘れたもののようです。「庭に落ていたと子供箒ひろい候(原文ママ)」と、発見時の状況まで書き留められていました。
「行宗春意」という持ち主の名前まではっきりと書いてあるのです。この行宗さんは一体どんな人物だったのか、子孫はいるのか、もし子孫がいたら「忘れ物が草津宿本陣に届いてますよ」と教えてあげたい、そんな気持ちがふつふつと湧いてきました。
行宗春意さんはどこのどなたなのか
まず Google 検索してみましたが……

"行宗春意"との一致はありません。
おそらくこのブログ記事を投稿した後は Google 検索結果は1件になっていることでしょう。
さて続いて国立国会図書館デジタルコレクションで検索してみました。すると1件ヒットしました!

山内神社(高知県高知市)の土佐山内家宝物資料館に所蔵されている『幕末維新』という書物に行宗春意さんの名前がありました。

山内家史料刊行委員会『幕末維新』第12編 (第十六代豊範公紀 明治二年一月一日~明治三年二月末日)(国立国会図書館デジタルコレクション) p.154 より引用
茶道に関する内容のようです。明治時代の手書き文書にしては比較的読みやすい字で書かれているので、なんとか読み取れそうです。
六日茶道ノ蓄髪ヲ許ス
明治二年記録四月六日
一 御茶道頭始御坊主共左之通被仰付可然之詮議之上……今日御茶道頭行宗春意役場へ招端書相渡御近習懸り参政御屋敷御用役等へ以切紙及通達食貨懸り参政之を書付夫夫相渡……
……此度御詮議振を以御茶道頭始御坊主共蓄髪被差明之尤髷致候儀を不被成束髪たるべき事……
明治の世になって茶道関係者の蓄髪(髪を伸ばすこと)を認めるお達しが出たことを受け、御茶道頭である行宗春意さんを役場へ招いて文書を渡した、といった内容だと思われます。行宗春意さんが土佐藩の茶道頭だったことがわかりました。
「行宗 茶道」で再び Google 検索すると、
行宗桃源宗行 - 茶人で先祖は大忍庄西川城主、のち長宗我部家臣 - 南国土佐へ来てみいや というブログ記事がヒットしました。
行宗桃源宗行(ゆきむね とうげん むねゆき)は、文政6年(1823)に土佐郡小高村(現・高知市)父・五代目桃源の子として生まれる。80石取りの代々茶の湯に関わってきた藩士の家で、行宗春次(4代目)、桃源(5代目)(渕魚・新柳斎)と続く。桃源は父から石州流の茶の湯を受け継ぎ、さらに江戸在勤の折に千家の弧峰庵・川上不白に入門し、その系統の茶道を深めた。幕末から明治初期にかけて、高知市の庶民の間に、江戸千家流をひろめた人である。明治15年(1882)に60歳で没。
【参考・引用】 『高知県人名事典 新版』 高知新聞社 刊
引用の引用で恐縮です。ここに行宗春意さんは出てきませんが、行宗春次という似た名前の人がいることから親戚ではないかと推測できます。時代的に行宗桃源宗行に次ぐ6代目あたりが行宗春意さんだったのではないでしょうか。
今回の調査でわかったのはここまで。茶道の名家とのことなので、現代まで脈々と続いているかと思ったのですが、残念ながら子孫と思しき人物までは辿り着けませんでした。このブログ記事が偶然子孫の目に触れて、ご先祖様が落とした鍵が遠く近江の地に遺失物として保管され続けていることが伝われば幸いです。
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暗記用チェックペンはアルカリで無色化できる
暗記用チェックペンで落書きされた
やられました。

犯人はいたずらっ子の1歳児。お父さんが目を離した隙にシーツに悠然と落書きをしていました。よりによってゼブラの暗記用チェックペンなので、強烈な濃い緑色のシミがついてしまってます。
どうやら水性ペンではないようで水拭きしても落ちません。
はっ、そういえば昔「チェック消しペン」たるものがあった気がするぞ…!
これです。
インクの色を無効化する特殊能力をもつペンです。一度チェック消しペンで線を引いた場所にはもう二度と緑色の線を引くことはできないという最強っぷり。
裏面を見てもインクの原料は表示されておらず正体は謎。エタノールとかそんな安っぽいものではないと思うんですが、一体どんなからくりを使っているのでしょうか。
公式サイトにも説明が載っておらず苦戦の予感がしましたが、企業秘密ということはもしや特許か?と角度を変えて調べてみたところ、すぐに暗記用チェックペンに関する特許が見つかりました。
「特許番号 6606886 暗記用ペン及び暗記用ペンセット」
https://ipforce.jp/patent-jp-B9-6606886

この特許に「チェック消しペン」の原理も明記されています。
例えば使用者によって確実に暗記できたと認識される着色箇所Cなど、着色シート1により視認され得なくする必要が無くなった着色箇所Cに対しては、消色ペン3を用いることにより容易に消色させることが可能である。具体的に説明すると、第三のペン先31を用いて着色箇所Cに対し消色液33を塗布すると、溶媒33bは揮発或いは蒸発するものの紙Pの表面には第一のインク23よりも高いpHを呈する消色剤33aが付着する。これにより第一のインク23のpHも高くなり、その結果当該第一のインク23の特性により、緑色から透明へと消色する。
どうやら pH が高いと緑色から無色に変化する ようです。リトマス紙やフェノールフタレインなどと同じ原理なのですね。
暗記用チェックペンはアルカリで落ちるのか?
ノートにチェックペンで緑色の線を引き、アルカリ性の液体としてキッチンハイターを塗布してみました。結果はご覧の通り。

見事に無色化に成功しました!!素晴らしい。
これで我が家のシーツの緑色のシミも無色化できますね。
早速ハイターをシーツにシュッシュッと吹きつけてみました。その瞬間、みるみるうちに緑色が消えていき…… あ、あれ?? なんか周りの灰色も様子がおかしいぞ!!?

うわああああああああああああああああああああああああ





