ふれっしゅのーと

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趣味に生きる30代エンジニアが心に移りゆくよしなし事をそこはかとなく書きつくるブログ

野洲市小字地図を公開しました

野洲市小字地図とは

地図の閲覧は こちら からどうぞ!

野洲市小字地図は、滋賀県野洲市の小字(こあざ)をシームレスに閲覧できるWeb地図です。普通の地図には載っていない小字をいつでも誰でも気軽に見られるようにしたいという思いのもと個人製作しました。

「そもそも "小字" って何?」という方は、まず以下の記事をお読みください。 fffw2.hateblo.jp

基礎資料は野洲町史編さん室『明治の村絵図』(1986) [1] に掲載されている小字比定図および地籍図 (e.g. 地券取調総絵図) です。 山間部の小字は地籍図の精度が著しく低いため『明治の村絵図』では割愛されていますが、本小字地図では野洲市が公開している地番参考図 [2] の地番界をもとに可能な限り小字界を復原しました。

注意事項

  • 初回公開時点では野洲市のうち旧野洲町域の小字のみを掲載しています。今後、旧中主町域も含めていく予定です。
  • 小字界の同定や小字名の表記には細心の注意をはらいましたが、決して完全なものではありません。あらかじめご了承ください。
  • 小字名は資料によって表記が異なる場合があります。将来的には字取調書 [3] や登記情報 [4] などの表記も確認する予定ですが、現時点では原則『明治の村絵図』 [1] の表記をそのまま採用しています。
  • 本小字地図は土地の権利関係には使用できません。
  • 転載する場合は出典を必ず明記ください。作者は風霊守(@fffw2)です。

操作方法

  • パソコンでもスマホでも閲覧できます。
  • ズーム、背景地図切り替え、詳細ポップアップ表示については、触ればわかると思うので、具体的な操作方法は割愛します。
  • パソコンでは Shift + Alt を押しながらドラッグで地図を回転できます。スマホでは2本指でタッチしてひねると回転できます。右上に表示される矢印アイコンを押すと、元の向きに戻ります。

凡例

詳細ポップアップの各項目について説明します。

  • 小字
    小字の名称です。原則『明治の村絵図』 [1] の表記をそのまま採用しています。

  • 大字
    小字が属する大字の名称です。掲載しているのは『明治の村絵図』が出版された1986年時点の大字であり、おおむね江戸時代の藩政村に一致します。

    • 冨波:1872年に冨波新町村と冨波沢村が合併して冨波村が誕生しました。通常であれば大字冨波となるところですが、地番の重複があるためか現在は大字冨波甲(元冨波新町村)・大字冨波乙(元冨波沢村)に分かれています。地券取調絵図が甲乙の区別なく作成されているため、本小字地図では大字冨波として扱っています。
    • 竹生:元は川田村(現守山市川田町)の一集落でしたが、1889年の町村制施行に伴い野洲村に編入されて野洲町大字川田、さらに1902年に旧集落名に改称して野洲町大字竹生となりました。
       
  • 旧村
    明治時代の行政村(1889年の町村制施行時の旧村)の名称です。

  • 備考
    小字名の表記揺れなど、補足情報を載せています。

参考資料

[1] 野洲町史編さん室『明治の村絵図』(1986)
[2] 野洲市野洲市マップ」のうち「農振農用地マップ(参考地番あり)」
[3] 滋賀県公文書館蔵『近江国栗太郡111ケ村字取調書』(1881)
[4] 法務省, 不動産登記情報 (「登記・供託オンライン申請システム」より照会)
[5] 角川日本地名大辞典編纂委員会『角川日本地名大辞典 (25) 滋賀県』(1979) (小字一覧)
[6] 大津地方法務局蔵 旧土地台帳
[7] 谷謙二「今昔マップ on the web」(旧版地形図・航空写真など)
[8] 国土地理院地図・空中写真閲覧サービス」(国土基本図・米軍航空写真など)
[9] 滋賀県公文書館蔵『【明-ち-29-2】野洲郡保安林台帳』(1898) (目録件名のみを地番範囲特定のために使用)
[10] 人文学オープンデータ共同利用センター「国勢調査町丁・字等境界データ
[11] 滋賀県公文書館デジタルアーカイブ川通堤防用悪水路杁樋溜池道路橋梁之絵図

謝辞

調査にご協力いただいた、野洲市立図書館、滋賀県公文書館、大津地方法務局の担当者の方々、そして地図作成のアドバイスや励ましのいいねをくださった X (Twitter) のフォロワーの皆様に深く感謝いたします。

TODO

  • 旧中主町域の小字を追加する
  • 字取調書や登記情報などの小字名の表記を確認する