ふれっしゅのーと

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趣味に生きる30代エンジニアが心に移りゆくよしなし事をそこはかとなく書きつくるブログ

湾曲した資料の写真を ScanTailor で真っ直ぐにする

概要

スマホやデジカメで分厚い資料の写真を撮ると、どうしてもページの見開きのノド部分が湾曲してしまいますよね。ScanTailor というソフトを使えば、湾曲した資料の写真を簡単に真っ直ぐに補正できます。

経緯

スマホの高画質化が進み、スキャナーアプリでいつでも手軽に資料をスキャンできる時代になりました。

ほとんどのスキャナーアプリには台形補正(射影変換)機能が備わっていて、斜めに撮影した画像を正面から撮影した画像に変換できます。しかし、紙が膨らんでぐねっと湾曲している画像を真っ直ぐに補正する機能はなかなかありません。

パソコンを使えばなんとかなるのではないかと、まずは画像編集ソフト GIMP の「ケージ変形」や「interactive warp filter」プラグインあたりを使って試行錯誤してみたのですが、たくさんのマーカーを手動で微調整しなくてはならず骨が折れました。しかも、手間が掛かる割には期待したクオリティーにならず、とても残念な感じ。

そこで何か良いソフトはないものかと海外サイトであれこれ調べていたら Best way to flatten a curled photographed book photograph? - Graphic Design Stack Exchange

「ScanTailor の湾曲補正が最高すぎる!」

といった記述を発見(訳は適当です)。試してみたところ確かに最高でした。

ScanTailor

インストール方法

Windows の場合

https://github.com/scantailor/scantailor/releases/tag/RELEASE_0_9_11_1 から exe ファイルをダウンロードするだけ。

Mac の場合

本家では Mac 用のバイナリファイルが配布されてないので、派生版の scantailor-advanced-osx を使います。事前に homebrew をインストールした上で、下記のコマンドを実行すれば OK です。

git clone "https://github.com/yb85/scantailor-advanced-osx.git"
cd ./scantailor-advanced-osx
brew install --formula ./scantailor.rb
scantailor

操作方法

YouTube に素晴らしい解説動画がありました。これを見れば大体わかります。

自炊スキャン画像の後処理に使うScanTailor(フリー)の使い方 - YouTube

解説動画が削除された場合に備えて、一応簡単に説明しておきます。

  1. Fix Orientation(向き修正)
    回転ボタンを押して向きを修正します。

  2. Split Pages(ページ分割)
    自動でページが分割されます。正しくない場合は手動で境界を修正してください。

  3. Deskew(傾き除去)
    自動で傾きが除去されます。正しくない場合は縦のラインが真っ直ぐになるように調整してください。

  4. Select Content(版面選択)
    文字や画像があるエリアを選択してください。

  5. Margins(余白)
    デフォルトのままで OK です。

  6. Output(出力)→ Dewarping(湾曲除去)
    Mode で「Color/Grayscale」を選び、Options のチェックをすべて外しておきます。 右側の下から 2 番目にある「Dewarping」タブを押すと、青い格子が表示されるので、この格子を湾曲に合わせてください。四隅のマーカーの他に、上辺と下辺の任意の場所にマーカーを追加できます。あまりマーカーを追加しすぎると調整が大変なので、必要最小限の数に留めておきましょう。

  7. 完成
    青い格子の位置が決まったら再び「Output」タブを押してください。 補正後の画像が表示されます。このとき裏で出力フォルダに補正後の画像が保存されています。(特に出力ボタンはありません)