はじめに
以前、地図に載らない「小字」という地名について紹介しました。
地域の歴史を現在に伝える魅力的な小地名なのですが、普通の地図に載っていないどころか、市町村によっては完全に廃止されていることもあるので、調べるには相応のテクニックが必要です。
長年の小字研究で「こうやれば小字にめぐりあえる」という手法がいくつかわかってきたので、今回はそのテクニックをあますことなく紹介していきます。1万文字超の大ボリューム記事ですが「ちょっと自宅の小字名を知りたいだけ」という小字ビギナーの方もぜひ序盤とまとめだけでも読んでいただけると幸いです。
インターネットで調べる
まずは手軽にインターネットで調べる方法を紹介します。
Google 検索
「○○市 小字」のような検索ワードで調べても、小字にたどり着けることは少ないです。熱心な郷土史家がいない限り、誰もわざわざ小字目的で資料をまとめようとしませんので。
おすすめ検索ワードは「"○○市XXXX字"」です。
大字 XXXX の後ろに「字」という漢字1文字を付けた上でダブルクォーテーションで囲んで検索です。これだけで小字ヒット率がぐっと上がります。
▲「"草津市大路1丁目字"」の検索結果。もうこれだけで心躍る。
- 不動産の登記上所在地
- 公報(道路工事、水道工事、行政区域変更告示など)
- 遺跡の発掘調査記録書
- 児童公園の所在地
などがヒットしがちです。
法務局の登記簿に記載されている小字の一部が土地関連の何らかの必要性によってインターネットの世界に出てきているのです。
いつの間にか閲覧できなくなってることも多いので、これぞというサイトを見つけたらスクリーンショットを取得しておくことを推奨します。
全国農地ナビ
「全国農地ナビ」は全国の農地台帳のデータをWeb上で閲覧できるようにしたシステムで、農林水産省が138億円*1 かけて整備しました。
農業委員会の実務であまり活用されず税金の無駄遣いと叩かれていますが、農地1筆ごとの小字と地番がわかる夢のようなシステムなので、少なくとも小字愛好家界隈では非常に重宝しています。
▲ 全国農地ナビ。全国規模で地図上に小字を表示できる唯一無二のシステム。
「ラベルの設定」を「所在・地番」にすると地図上のマーカーにカーソルを乗せるだけで小字が表示されるので便利です。
最大のデメリットは「農地」の小字しかわからない点です。宅地開発が進み、田んぼや畑が減れば減るほど、全国農地ナビでは小字を特定できなくなります。やむを得ませんね。
あと、残念ながら小字が省略されている地域も割と多いです。
国立国会図書館デジタルコレクション
「国立国会図書館デジタルコレクション」を使えば、国立国会図書館が誇る汗牛充棟の蔵書に自宅から瞬時にアクセスできます。小字を調べたい場合は
- 地籍図(地籍地図*2)
- 土地宝典
- 市町村史
あたりを探してみるとよいです。
調べたい地域の地籍図や土地宝典があり、かつ、小字が収録されていれば、ほぼ小字マップが手に入ったようなものなので、非常にラッキーです。
▲ 大正元年『京都市及接続町村地籍図』(国立国会図書館蔵)より
国立国会図書館デジタルコレクションにない場合は、諦めずに当該地域の図書館・文書館のサイトにデジタル資料がないかも調べてみましょう。
▲ 京都府立京都学・歴彩館デジタルアーカイブの検索画面(検索ワード「官有地籍図」)
登記・供託オンライン申請システム
小字を本気で調べようと思ったら法務局に行かないといけません。しかし「登記・供託オンラインシステム」を使えば、法務局に行かずとも自宅から簡単に小字一覧にアクセスできます。
▲ 登記・供託オンラインシステムの不動産登記情報検索画面。小字一覧を閲覧できる。
「かんたん証明書請求」>「登記事項証明書 (土地・建物)/地図・図面証明書」>「オンライン物件検索」 で小字一覧に辿り着けます。
現在あるWebシステムの中では最大の小字量を誇りますが、いくつかデメリットがあるのでご注意ください。
- 事前に申請者情報登録をして郵送でログイン情報をもらっておかないと使えない
- 平日午前8時30分〜午後9時しか使えない
- 無料で使えるのは小字名の閲覧まで(小字の所在を調べるには図面請求が必要で有料)
小字マップが表示できるわけではないのが実に惜しいです。せめて小字の地番範囲がわかれば嬉しいのですが。(小字調査用のシステムではないのでやむを得ませんね)
(2022-10-11追記)「登記情報提供サービス」という非常によく似たサービスがありますが、こちらは小字調査には向かないのでご注意ください。(参考:「登記情報提供サービス」と「登記・供託オンライン申請システム」がややこしすぎる - ふれっしゅのーと)
図書館で調べる
インターネットで小字の位置まで特定できるのはレアケースです。まだまだ紙媒体が強いので、次は図書館に足を運びましょう。
角川日本地名大辞典
巻末に膨大な量の小字一覧が載っています。
▲ 圧倒的な小字量。ずっと読んでいられる。(『角川日本地名大辞典 (25) 滋賀県』より)
小字初心者が最初に手に取るべき本です。ほとんどの図書館で他の都道府県の分まで所蔵しているので、比較的容易に小字一覧にアクセスできるのが最大のメリットです。
デメリットは誤字脱字や収録漏れが非常に多いことです。角川小字一覧を見て「え!?こんな読み方するの?激レア地名だ!!」と小躍りする前に落ち着いて他の資料を絶対に確認しましょう。
例えば滋賀県の巻に「鎌拼*3」という小字が載っていて、読み仮名が「カマカケラ」になっていますが、正しくは「カマカラゲ」です。*4
『角川日本地名大辞典』に「振り仮名は単純誤植のみ訂正して原資料のままを付した」と記載されているが、原資料で正しくルビが振られている小字「鎌拼」(カマカラゲ)は『角川日本地名大辞典』で「カマカケラ」というルビになっていた。単純誤植だ。 pic.twitter.com/pVLoCKTNOx
— 風霊守 (@fffw2) October 2, 2015
北海道、新潟、愛知、大阪、兵庫、奈良、福岡は、巻末に小字一覧が収録されていないのでご注意ください*5。また、上記以外の都府県でも、必ずしも全市町村の小字が収録されているとは限りません。
中古本だと2000円ぐらいで買えるので、よく使う場合は個人で購入してもよいと思います。
▲ 自宅で好きなだけ角川日本地名大辞典を堪能できるのは最高の贅沢
明治前期全国村名小字調査書
まだ読んだことがないのですが、これも良さげです。アツジン氏のツイートで知りました。
— アツジン (@atsatsatsa) April 3, 2015
明治時代の皇国地誌編纂に伴う全国規模の調査(その後小字の全国調査は一度も行われていない)により小字の一覧が国に提出されたのですが、関東大震災により大半が焼失してしまいました。その残稿をもとに出版された本のようです。
災禍をまぬがれた小字一覧は、青森、秋田、宮城、福岡、熊本、大分、佐賀、鹿児島、だけなので、おそらく小字名まで収録されているのはこれらの県だけでしょう(未確認)
市町村史などの小字地図
小字の名前だけではなく位置も知りたいという場合は『XXXX市史』のような市町村史や、さらに細かい『○○(大字)史』『XX学区の歴史』『△△ニュータウンのあゆみ』などの郷土資料を片っ端から紐解いてみましょう。小字地図が載っていることがあります。
▲ 昭和61年『科戸之風』(草津市常盤学区の郷土資料)より
目次に「小字」の文字が見つからなくても、とりあえず全巻全ページ確認してみましょう。巻末の袋に付図が入っている場合もあるので確認を忘れずに。
本が多すぎて何を見たらよいかわからない場合や、遠方の図書館で直接調査に行けない場合など、困ったときは「レファレンスサービス」や「遠隔複写サービス」の利用がおすすめです。図書館は全力で調査をサポートしてくれます。*6
文書館や歴史博物館で調べる
小字に関する資料は文書館(公文書館)や歴史博物館に所蔵されている場合もあります。図書館にない場合は別の施設を探してみるとよいでしょう。
▲ 明治14年『市町村行政土地字取調書』(滋賀県立公文書館蔵)
法務局で調べる
明治前期、地租改正などの複数の国家事業を契機に全国の土地の状況が調べられ、このとき小字も記録されました。その流れを汲んだ資料が現在は各地の地方法務局に「旧土地台帳」や「公図」として備え付けられています。
このあたりの歴史を紐解くと大変面白いので、さらに詳しく知りたい人は国土交通省の明治150年企画『明治以降の地籍と地図の歴史』をご覧ください。
▲ 『明治以降の地籍と地図の歴史』(国土交通省地籍整備課)p.17 より引用
旧土地台帳
「旧土地台帳」は明治22年〜昭和35年に使われていた土地情報を管理するための台帳です。現在の「登記簿」の前身にあたり、明治中期以降の土地の変遷が事細かに記されています。
▲ 旧土地台帳のコピー
注目すべきは旧土地台帳の右上です。ほぼ確実に小字が載っています。
法務局で旧土地台帳閲覧申請*7をすれば、分厚い簿冊を持ってきてもらえ、法務局内のテーブルで自由に閲覧できます。量が多い場合は台車で運ばれてきます。費用は無料です(←ここ大事!)
▲ 簿冊は撮影禁止なので表紙だけコピーしてもらった
撮影は禁止ですがコピーはできますし、郵送請求もできるので、小字調査の他に先祖調査でもよく利用させていただいてます。*8
ちなみに現行の登記簿にも小字が載っていることはあるのですが、下記の理由から旧土地台帳のほうをおすすめします。
- 新しい登記簿では小字が省略・廃止されていることがある
- 登記簿は旧土地台帳と違って請求にお金がかかる
ブルーマップ
旧土地台帳では小字の地番範囲まではわかりますが、その地番がどこにあるのかはわかりません。地番の位置を調べるためには法務局に備え付けられている「ブルーマップ」を使います。
▲ ブルーマップ(ゼンリン製品紹介ページより引用)
通常の地図の上に地番図が重なっている特殊な地図です。市販本なので図書館や市役所に所蔵されていることも多いです。見に行けない場合は法務局に電話で問い合わせるとよいです。
旧土地台帳とブルーマップの2つを使えば、地道な作業にはなりますが、小字地図を自作することも理論上は可能です。
公図(旧土地台帳付属地図)
大規模な都市開発が行われている場合、分合筆や換地により、地番が変わっていて、旧土地台帳の地番がブルーマップで見つからないことがあります。
旧土地台帳→閉鎖登記簿→現行の登記簿→ブルーマップ というように、登記簿経由で地番の変化を現代まで追いかけるのもアリですが、手間もお金も掛かります。
このような場合、法務局に備え付けられている古い公図(旧土地台帳付属地図)を見せてもらうのが手っ取り早いでしょう。
▲ 和紙公図の例(『滋賀の地籍』p.155 より引用)
…と言っても、私は法務局備え付けの古い公図を用いた小字調査をしたことがないので、ごめんなさい、あまり多くは語れません。土地家屋調査士の人によると「和紙公図やマイラー公図を見たい」と言ったら見せてもらえるらしいです。*9
目的を詳しく説明せずに「公図を見たい」とだけ言ってしまうと、電子化された最新の公図が出てきてしまうのでご注意ください。
▲ 電子化された公図(地図に準ずる図面)の例(公図共有サイト「公図アサイラム」より)
市町村役場で調べる
役所での小字調査に対する対応は自治体によってバラバラです。小字の所管部署が曖昧でたらい回しになることもよくあるので、あらかじめメールで問い合わせておくとスムーズに案内してもらえるかもしれません。
法務局「市役所の管轄です」
— 風霊守 (@fffw2) November 22, 2016
市役所受付「都市計画課でお聞きください」
都市計画課「それなら市民課か税務課ですね」
市民課「税務課なら分かるかもしれません」
税務課「それは…法務局ですね」
無限ループに陥った:;(∩´﹏`∩);:
税務課
もともと地租の徴収目的で土地の調査が行われたので、歴史的な流れを考えると、税務課に小字資料がある可能性が最も高いです。
- 地番図(地番参考図)*10
- 固定資産(土地)路線価図
などに小字が載っていることがあります。複写は禁止されていることが多いので、転記用の白地図や筆記具を持っていくのを忘れないようにしましょう。
教育委員会
小字が地域の歴史資料として教育委員会で管理されているケースもあるようです。私も一度は教育委員会に問い合わせてみなくては、と思ってはいるのですが、まだチャレンジできていません。
【赤穂市役所まとめ】
— ひめ@女体化したい人生だった (@sarasvati635) November 22, 2013
市民窓口に行く
⇒「小字とか調べてるんですけどー…」
⇒窓口のおじさん、教育委員会に電話してくれる
⇒別棟の教育委員会に案内してもらう
⇒学芸員のお兄さん、地名とか民俗とかの資料を用意して待ちかまえてた
⇒めっちゃ載ってる
⇒余裕で資料のコピーもらえました
現地で調べる
正直、小字に関して言えば現地調査で得られる情報は少ないです。何も得られず手ぶらで帰ることもよくあるのですが、たまに奇跡的に小字が残っていることがあり、それを発見できると「お前、こんなところで生き残っていたのか……」と胸が熱くなります。これだから現地調査はやめられません。
他にも、電柱標、バス停、公民館、橋梁、墓地、アパート、踏切、公園、溜池、コンビニのレシート、個人宅の表札、等々、様々な所で小字は人知れず生き残っています。ありとあらゆる文字に目を凝らし、ぜひとも小字を見つけてあげてください。
現地調査ならではのメリットとして住民に話を聞けるという点もあります。古地図片手に熱心な感じで「地域の歴史を調べています」と声をかければ、不審者と思われずに、親切に小字のことや開発前の地域の様子について事細かに教えてもらえます。
生の声は大変貴重で、資料に載っていない興味深い情報が得られることが多いですので、頑張ってチャレンジしてみましょう。昭和後期まで農地が広がっていた地域では50〜60代ぐらいの方でも小字をご存じの方が多いので話が早いです。(あまりに古老すぎるとうまく話が通じないこともあるので人選にはご注意を)
まとめ
小字資料の関係性
本記事では小字の調べ方について数々の方法を紹介しました。要旨をまとめると下図のようになります。
小字の情報源は明治前期の資料にまで遡れ*16、基本的に古い時代の資料ほど小字の残存率が高く、正確性も高いというメリットがあります。しかし古絵図は個人蔵や行方不明の場合が多く、資料にたどり着くのは容易ではありません。
明治前期の地租改正事業等によって全国的に調べられた小字は、その後、法務局の旧土地台帳や公図に引き継がれました*17。そして、小字が日常生活で使われなくなった現在も土地登記上は小字が生き残っているため、不動産取引や都市開発等の場面で小字が用いられ、その一部がWeb上で閲覧できるというわけです。
近年は古資料のWebデータベース化が進み、従来アクセシビリティの低かった地籍図にも容易にアクセスできるようになってきました。法務局の登記情報や農地台帳の情報にオンラインでアクセスできるようになったり、小字地図を収録した新たな郷土資料が編纂されたり*18、まだまだ完全というには程遠いですが、小字を調べやすい環境が少しずつ整いつつあります。
小字を調べてアウトプットしよう
小字を調べやすい環境が少しずつ整いつつあると言ってもインターネットで小字地図にまでたどり着ける地域はごくわずかです。日本全国の1%にも満たないでしょう。
もし本記事を読んで小字を調べてみたという方がいたら「XXX町に○○という小字があった」「XXXという資料に小字がまとまっていた」と一言ツイートするだけでも構いませんので、ぜひ調査結果をアウトプットしていただけないでしょうか。小字沼にはまったら小字地図作成にもチャレンジしてみてください。あなたが発信した小字情報はその地域だけに留まらず、他の地域の小字を研究する上でも大いに役立ちます。*19
戦前、かの柳田國男も人文地理学の発展のためには全国の小字研究の成果が互いに交換されなければならないと述べていました。先生の著書『地名の研究』から一節を引用して、筆を擱きます。
郷土研究ばかりは割拠では成功しない。ぜひとも全国の同志と知識の交換を企てなければならぬ。(…略…)ギロという地名も近江・美濃・伊勢にかけて多いが、何のことやら今にまだ心当りがない。それから尾参だけに数の多いヒラコとかヨラキという地名、これなどもどうかして諸君とともに早くその由来を明らかにしたいと思っている。たった一つや二つの孤立の例ならば、中には永久の不可解というものもあろうが、遠近の各地に同じ例の多い地名ならば、考えて往って判らぬということは万々あるまい。今後この知識と関心とが全国の隅々に及んだ場合を想像してみると、こういう楽しみの多い努力、多くの新発見を約束する不審というものは、他にはちょっと類がないと思う。
*1:2021年10月22日 朝日新聞デジタル「138億円かけたのに…農地情報システム使われず、会計検査院指摘」より
*2:『東京市及接続郡部地籍地図』『大阪地籍地図』など「地籍図」ではなく「地籍地図」で検索しないと出てこない資料があるので注意してください。
*3:『角川日本地名大辞典』や『滋賀県土地字取調書』では「拼」の手偏が獣偏になっていますが、ここでは法務局の登記上の表記を採用しました。
*4:正しい読みは『角川日本地名大辞典』の小字一覧の原典である『滋賀県土地字取調書』および地元住民への聞き取りで判明しました。
*5:北海道、新潟、愛知、大阪、兵庫、奈良、福岡は『角川日本地名大辞典』に小字一覧がありませんが、代わりとなる資料がいくつかあります。ぱっと思いつくところでは、愛知は『土地宝典』、大阪は『内務省大阪実測図』、兵庫は『兵庫県小字名集』、奈良は奈良女子大学の小字データベース(原典は『大和国条里復原図』等)などがあります。
*6:レファレンスサービスは本当に頼りになります。担当者にもよりますが、通常の検索では出てこない秘蔵資料を見つけてくださったり、市役所など関係機関に問い合わせてくださったりしたこともありました。
*7:旧土地台帳閲覧申請用の用紙はないので、通常の申請用紙の余白に「旧土地台帳」と自分で書く必要があります。知る人ぞ知る裏メニューみたいな感じです。
*8:戸籍(戸籍謄本・除籍謄本・改製原戸籍謄本)の郵送請求と違って、郵便小為替とかいう前時代の支払手段を使わなくて済む点が本当にありがたいです。旧土地台帳が今後も永年無料であることを祈るばかりです。
*9:ふじもと登記測量事務所さまのツイート(2020年2月26日)を参考にしました。「公図はできる限りコンピュータ化された現公図だけでなく、マイラー、和紙公図も確認する事をおすすめします。」「マイラーや和紙公図も一緒に見るには乙号の申請用紙に鉛筆で『マイラー、和紙公図もお願いします。』と書くとだしてくれるので、ご注意を。」
*10:私は2006年に草津市役所税務課で『地番図』(縮尺1/1000)を見せていただき地図上に小字が描かれていて歓喜したのですが、10年後に再訪したら縮尺1/2500の小字なし地番図だけになっていて肩を落とした、という苦い思い出があります。
*13:ふれっしゅのーと「ようこそ!地図に載らない小字地名の世界へ」より
*17:明治前期の地籍図から法務局備え付けの公図に至るまでの流れは、佐藤甚次郎『明治前期の地籍図 ーその1:耕地絵図と壬申地券地引絵図ー』が詳しいです。一言に「明治前期の地籍図」といっても、主に壬申地券地引絵図、地租改正地引絵図、地籍編製地籍地図、地押調査更正地図の4種類があります。
*18:市町村史は昭和後期〜平成初期あたりに多く出版されましたが、近年では学区や大字といった小さな単位での郷土資料の編纂が目立ちます。定年退職後の小字現役世代による「郷土の歴史を後世に残しておきたい」という機運の高まりでしょうか。
*19:と立派なことを言ってますが、私も「草津市小字地図」を独力で作り始めて10年、まだ一般公開できていません(笑) 途中でもよいのでそろそろ公開しなくてはいけませんね。