ふれっしゅのーと

ふれっしゅのーと

趣味に生きる30代エンジニアが心に移りゆくよしなし事をそこはかとなく書きつくるブログ

めざせ漢字王!はじめての漢検1級受検<前編>

「いつかは漢検1級に合格したい」

それが私の幼い頃からの夢でした ──

大学1回生の夏、漢検準1級に合格し、次はいよいよ念願の漢検1級となりました。しかし漢検1級の勉強は準1級までとは違い一筋縄ではいきません。問題集をむやみに解いても成績が伸びず、飽きてブランクを空けたら折角覚えた漢字が抜けてしまい、何度もくじけそうになりました。受検記の<前編>では、そんな漢検1級初受検に至るまでの紆余曲折の道のりを書いていきます。

 

征服できない完全征服(2012.07.09 - 2015.09.20)

本腰を入れて漢検1級の勉強を始めたのは大学院に入ってからでした。サークルの後輩らが漢検1級の勉強を始めだしたというのもモチベーションにつながったと思います。

最初に購入した問題集は『完全征服』です。このときはまだ知る由もなかったのですが、この1冊を解いただけで “完全征服” できるほど漢検1級は甘い世界ではありませんでした。

やっとのことで『完全征服』を解き終えたときには、丸2年が過ぎ、私は大学院を修了して社会人になっていました。

反省点は 意味調べに時間を掛けすぎた ことです。

気になったことはとことん調べたくなる性分が災いし、故事成語の出典となった漢文を読んでみたり、熟字訓問題で出てきた動植物をいちいち図鑑で調べて模写したり、意味調べに多大な時間を費やしてしまいました。深く調べた分、印象には残るのですが、やはりコストパフォーマンスが悪すぎます。

今なら言えますが、音読み問題は最悪意味がわからなくても読めればよいですし、故事成語は別に原典が何なのかまで知らなくてよいですし、熟字訓は最大10点であまり得点源にならないので勉強の優先度は極めて低いです。

さらに1年を掛けて2周目も解き終えたのですが、だらだらとブランクを空けつつ勉強したせいで、折角覚えた漢字も頭から抜けてしまっていて、あまり実力がついた気がしません。問題集を解くときは短期的に集中して取り組むべきでした。

 

漢字熱、再燃(2016.07.23 - 2016.07.30)

2016年7月23日、京都祇園に新しくオープンした漢字ミュージアムに行ってきました。

漢検模試体験コーナーがあったので、意気揚々と挑んでみたのですが、結果は10点満点中1点。ひどすぎる。完全征服を2周したとは思えない惨憺たる成績…

漢字熱が再燃しました。 

ここで、心機一転、新しい問題集に着手しました。『2つの級を同時に学べる 漢字検定1級・準1級』という1級と準1級が同時に学べるタイプの問題集です。準1級の問題は2008年に解き終えていたので、今回は1級の問題のみ解きました。模試1点が相当悔しかったのか、集中して1週間で解き終えました。 

解答解説に意味が書いてあるおかげで、意味調べの手間が省けたのが大きかったです。あと、漢検1級の問題集では珍しく、明朝体ではなく楷書体で見やすい本でした。

漢字検定1級・準1級

漢字検定1級・準1級

 

 

頻出度順は積ん読

頻出度順は一応買ったのですが、ほとんど解いた記憶がありません。どうしたんでしょうね。

赤シートで隠せるので電車の中などで気軽に解けるのが利点です。付録の四字熟語・故事・ことわざ一覧には主要なものだけが載っているので、さくさく読めて復習には適していると思います。常用漢字の表外読み一覧は用例が載っていて完全征服の付録より使いやすいです。

2019年版 頻出度順 漢字検定1級 合格!問題集

2019年版 頻出度順 漢字検定1級 合格!問題集

 

 

QMA「漢字・四字熟語検定」(余談)

漢字熱をキープするため、問題集だけではなくクイズマジックアカデミーの「漢字・四字熟語検定」にもチャレンジしました。

結果は SS で全国ランキング入りです!やったぜ!!(10コインぐらい投入した気がする) 

 

四字熟語を制す者は漢検1級を制す

このまま問題集を淡々と解き続けても合格できないと思い、改めて勉強法を考え直しました。特に参考になったのはめぐみ式勉強法の「STEP01: まずは四字熟語から」です。

今まで問題集を無計画に解いていましたが、どうやら四字熟語から覚えるのが近道らしいです。漢検四字熟語辞典には膨大な数の四字熟語が載っていて愕然としますが、めぐみさんによると、漢検1級配当の四字熟語で、かつ、熟語の上下を入れ替えただけのものや「之」を含むのを除外すると、暗記すべき四字熟語はわずか868個だというのです。

4ヶ月掛けて868個の四字熟語に目を通して、ちんぷんかんぷんだった四字熟語が少しずつわかるようになってきました。ちなみに五十音順に進めていくと、早くも「イ」で「一」から始まる四字熟語が多すぎてげんなりします。その後もなかなか進まず「本当に終わるのか…?」と焦ってきますが、タ行を終えたあたりで何故か一気にスピードアップします。

実は四字熟語を五十音順に並べるとア行〜サ行に偏っているんですね。山場の「シ」を終えたら、もう後半戦に入ってますので、どうか力尽きずに完走してください。

 

何故買ったのかわからない分野別精選演習

四字熟語を一周して、次なる勉強法を調べていたときに重大な発見をしました。

『完全征服』は平成8年から16年までの過去問、 『分野別精選演習』は平成15年から平成22年までの過去問の抜粋なので、実は問題集を解かずとも過去問だけをひたすら解き続ければよい のでは…?

この偉大なる発見をツイートした数週間後に 『分野別精選演習』を買っちゃってるのは、我ながら理解しがたいです。どういう風の吹き回しか。

しかも結局買ったけど全然解きませんでした。(今回の記事を書くにあたり本棚を調べてみるまで、買ったことすら完全に忘れていました)

漢検 1級 分野別 精選演習

漢検 1級 分野別 精選演習

 

 

四字熟語2周目(2018.11.19 - 2019.03.30)

再び1年のブランクが空きました。一大イベントである結婚式を終えて、落ち着いたら一気に漢字欲が高まってきました。

しかし1年のブランクは大きく、あれだけ頑張って読み切った四字熟語も結構頭から抜けてしまってました。書かずに読むだけで済ませたというのも印象に残らなかった原因だと思います。

2周目では『漢検四字熟語辞典』に載っている漢検1級配当の四字熟語を全部ノートに書き出すことにしました。さらに、漢検1級配当以外の四字熟語もすべて一度は目を通しておくことにしました。なかなか時間の掛かる作業でしたが、網羅的に勉強できて実力アップにつながりました。

 

国立国会図書館で過去問を入手(2019.03)

漢検1級の勉強で不可欠なのは過去問です。古い過去問はAmazonなどで篦棒なプレミア価格になっているので、国立国会図書館でコピーするのが正解です。遠隔複写サービスを利用して、平成10年から平成29年までの過去問を一気に入手しました。

過去問の複写対象ページは下記のサイトを参考にしました。

ただし『1級合格捷径 : 漢検1級への近道 用例・既出問題集』(H4 - H6)と『「1級」日本漢字能力検定公式問題集』(H7 - H9)の複写は、残念ながら国立国会図書館に謝絶されてしまいました。複写請求ページ数が著作物全体の1/2を超えてはならないというルールがあるのは知っていたのですが、上記の本はいずれも各年度ごとに一著作物とみなされるそうです。書籍全体の1/2は超えてないのですが、各年度ごとで見ると1/2を超えていたのでアウトでした。

なお複写請求は国立国会図書館オンラインからでもできますが、貸出中が一つでもあると請求できないという仕様なので、所定の用紙に手書きして郵送請求するほうが融通がきいて確実です。

 

音読みのバイブル『漢字音符字典』(2019.03.28 - 2019.04.07)

漢検1級の音読み対策のバイブル『漢字音符字典』を図書館で借りてきました。漢字の音符が網羅されている良書なのですが、惜しいことに2018年7月末で絶版になってしまっていて、本屋に行っても手に入りません。図書館の貸出期限もあるので、この本は1週間でさくっと読み終えました。

新しい漢字学習法 漢字音符字典

新しい漢字学習法 漢字音符字典

 

(2022-11-11追記)
待望の改訂新版が出たようです → 『漢字音符字典 改訂新版』(Amazon)

 

夢への扉がひらかれた

ここまで長い時間が掛かりましたが、やっと過去問に立ち向かえるぐらいの実力がついてきました。今の段階で 6, 7 割ぐらい取れたら本試験に申し込もうと心に決めて、いざ過去問を解いてみました。結果は…

  • 平成10年度第1回:156点
  • 平成10年度第2回:168点(合格)
  • 平成10年度第3回:152点
  • 平成11年度第1回:141点
  • 平成11年度第2回:167点(合格)
  • 平成11年度第3回:153点

意外と良かったです!!
この調子なら、もう少し勉強すれば合格できるかもしれません。自信を持った私は意を決して念願の漢検1級に申し込みました。

本試験は2ヶ月後の令和元年6月16日。はたしてふれっしゅは合格できるのか?

<後編>へ続く